令和7(2025)年1月30日(木)、宇都宮市内のホテル東日本宇都宮において、栃木県との共催により「第30回GMP・QMS等事例報告会」を開催しました。県外企業も含め113名の参加がありました。
事例報告会は秋山監事の司会で開会し、富永会長と小島医薬・生活衛生課長のあいさつの後、山田理事と田村理事が座長となり、会員企業での日頃の取組み事例や研修成果、行政からの指摘事例等について発表がありました。
また、医薬・生活衛生課温泉・薬物対策担当の石井ひなの様より骨髄バンク及び献血について説明がありました。
最後に栃木県薬事工業会より、令和4年度から実施している「製造管理者等交流会」について、参加メンバーの代表として、藤永製薬株式会社 品質管理部 試験検査課 樫村 清志 様より製造管理者等交流会の近況等の説明がありました。
演題1 「興和株式会社における電子システム社内開発事例」
発表者 興和株式会社 品質管理課 坂本 宗一郎 様
演題趣旨
GMPの話題として、LIMSを代表とする電子システムや自動化がトレンドとなるようになって久しい。弊工場においてもそれは例外ではなく、現在使用している出納管理システムは電子システムであり、データインテグリティ対応の一環として品質管理課とシステム管理者が共同で自社開発した。
本発表では、システムの概要をはじめ、自社開発に至った過程や開発原理とそれに基づく開発ステップの詳細を説明する。未だ改善点の多い本システムをたたき台として皆様のご意見を頂戴し、満点のないGMPという大きな課題に対する回答の一つの参考となることを期待したい。
演題2 「アラビアゴムが糖衣錠の品質に及ぼす影響」
発表者 シミックCMO株式会社 技術部 生田 好成 様
演題趣旨
弊社にて製造している糖衣錠のバリデーションを実施する中で、品質低下が発生した。そこで、品質低下の原因調査を行った結果、糖衣層の処方に含まれる原料の1つであるアラビアゴムに起因している事が判明した。さらに、当該原料の調査を進める中で、品質低下を引き起こしたアラビアゴムの特徴が明らかとなり、品質低下と今回使用したアラビアゴムとの関係性を考察することが出来た。
本発表では、上記内容および、上記内容を踏まえた品質低下の再発防止策について、共有する。
演題3 「化粧品GMPにおける新たな教育方法の取り組み事例」
~ボードゲームによるGMP教育~
発表者 株式会社シーボン 品質管理課 鈴山 瑞貴 様
演題趣旨
GMP教育については新任者教育をはじめ、一般作業者への定期教育、責任者教育、特定業務従事者に対する教育などが挙げられる。
これらの教育については、対象者に対して定期的に集合教育が実施されているが、やや形骸化されつつあり、理解度もバラつきが生じていると思われる。
そのため、より具体的なケーススタディを取り入れるとともに、教育方法についても記憶に残りやすいゲーム方式などを取り入れた、新たな方法を試みている。
これらの取り組みはまだ試験的ではあるが、単にGMP遵守だけの教育ではなく、従業員同士の垣根を無くし、その先にあるカイゼン活動を促し、より高い品質レベルを目指すことを目的としている。
演題4 「最近の薬務行政について」
発表者 栃木県保健福祉部医薬・生活衛生課 加藤 貴央 副主幹
演題趣旨
最近の全国での行政処分事例を踏まえた、栃木県の取組みを紹介するとともに、本県の医薬品GMP調査、医療機器・医薬部外品・化粧品製造業等における指摘事例について説明する。
【医薬・生活衛生課からお知らせ】骨髄バンク及び献血について
【栃木県薬事工業会からお知らせ】製造管理者等交流会について