令和元(2019)年11月29日(金)、栃木県庁研修館で、栃木県との共催により「令和元年度GMP研修会」が開催されました。
会員はもとより、栃木県内外の会員企業、薬事監視員を含めて、128名様のご参加をいただきました。
研修会は、富永会長と加藤薬務課長のあいさつ後、基調講演を行い、その後医薬品と医療機器の2部に分かれて専門講演を行い、3名の外部講師から講演をいただきました。
〇基調講演
基調講演は「リスクマネジメントの体系」と題して、花王㈱安全性科学研究所の藤井健吉先生から御講演をいただきました。
藤井先生は日本リスク学会において、リスク学辞典編集委員も務められています。
昔から人間の生活を脅かすリスクという概念が自然発生し、それが歴史の中でどのように学問として成立したか、また、安全であることの対比や、レギュラトリーサイエンスやリスク評価方法の基礎などを丁寧にご説明いただきました。
〇専門講演(医薬品の部)
専門講演は2部に分かれて講演を行いました。医薬品の部は「データインテグリティ解説と適応について」と題し、前田GMPコンサルティングの前田年秋先生から御講演をいただきました。
前田先生は、県内の世界的な製薬企業の品質保証部門やその本部に長年勤務されました。日本のみならず世界中の品質保証部門と関わっていらっしゃった方です。
データの品質を確保することは、医薬品の品質を保証するのに欠かせない要素ですが、ごく一部のことではありますが、データをねつ造したり、誤りに気づかずに医薬品を出荷してしまった事例も散見されます。
このような事態を防ぐために、組織としてどのようにデータインテグリティに取り組んでいくか、自身の経験も踏まえながら解説していただきました。
〇専門講演(医療機器の部)
医療機器の部は「ASEAN医療機器規制について」と題し、クアルテック・ジャパン・コンサルティング株式会社の村山剛先生から御講演いただきました。
中国、タイ、シンガポールなどで、各国の医療機器に関する承認を取得する際のコンサルティングをされています。日本での医療機器クラス分類と各国のクラス分類が異なることや、申請に必要な書類も各国様々であることなど当局における違いなどについて丁寧にご説明いただきました。